読み物 > 「竹のこと通信」⑪本の出版とホームページの開設について
令和6年3月(2023年)
本の出版とホームページの開設について
◇インテリア作品を中心にした本の制作を思いつく
本を出そうと思い立ったのは2022年の1月でした。展示会がそれまで4、5年続いて、作品制作に多くの時間を費やす日々だったのですが、コロナ禍のためか、販売ニーズとあわなかったのか、売れ残った作品がたまっていました。以前からマニアックな「竹工芸」の本を作りたいと考えていたのですが、本にするにはかなりの数の作品が必要です。でも今なら作品があります。補充はもちろん必要でしょうが、少ない点数ですむはず。それがスタートになりました。
マニアックな本というのを具体的に言うと、一般的な「竹工芸」の入門書ではなく、ある程度経験を積んだ人向けということです。そしてとりあげる作品はインテリア的なものを中心にしようと考えました。
作品の制作には、必要な竹の本数や長さ、厚みや幅の情報が必要ですが、それを一切ださない。その分写真は制作に必要な部分を正確に撮ってもらう。経験があればそれを見て作品は作れるはずです。
これは自分でも経験したことですが、材料の幅や厚み、本数などを教えてもらって作品を作り続けていると、それがわからないと作品が作れなくなるのです。なるべく早い段階で、必要な材料は計算したり見当をつけられるようになったほうがいい。それであえてそうした情報は出さないと決めていました。
インテリア的なものでまとめようと思ったのは、編み組みの面白さや造型的な工夫に惹かれて作品を作ることが多かったからです。
籐工芸を習っているときもそうだったのですが、籠やザル、バックといった実用的なものにあまり興味がないのです。かといって伝統工芸展に出品されるような繊細な作品をつくりたいとも思わない。
惹かれるのは編み組みの面白さや創作的な試みで、それを表現できるものとして壁掛けや竹敷を多数作っていました。それを発表したい。そのため花籠やほかの器なども、傾向が同じものを選んでまとめることにしました。
とにかく自分が作っていて面白いと思えるものを集めた作品集にしたかった。マニアックというのは、結局自分好み、と言い換えたほうがいいかもしれません。
マニアックな本というのを具体的に言うと、一般的な「竹工芸」の入門書ではなく、ある程度経験を積んだ人向けということです。そしてとりあげる作品はインテリア的なものを中心にしようと考えました。
作品の制作には、必要な竹の本数や長さ、厚みや幅の情報が必要ですが、それを一切ださない。その分写真は制作に必要な部分を正確に撮ってもらう。経験があればそれを見て作品は作れるはずです。
これは自分でも経験したことですが、材料の幅や厚み、本数などを教えてもらって作品を作り続けていると、それがわからないと作品が作れなくなるのです。なるべく早い段階で、必要な材料は計算したり見当をつけられるようになったほうがいい。それであえてそうした情報は出さないと決めていました。
インテリア的なものでまとめようと思ったのは、編み組みの面白さや造型的な工夫に惹かれて作品を作ることが多かったからです。
籐工芸を習っているときもそうだったのですが、籠やザル、バックといった実用的なものにあまり興味がないのです。かといって伝統工芸展に出品されるような繊細な作品をつくりたいとも思わない。
惹かれるのは編み組みの面白さや創作的な試みで、それを表現できるものとして壁掛けや竹敷を多数作っていました。それを発表したい。そのため花籠やほかの器なども、傾向が同じものを選んでまとめることにしました。
とにかく自分が作っていて面白いと思えるものを集めた作品集にしたかった。マニアックというのは、結局自分好み、と言い換えたほうがいいかもしれません。
◇具体的な作業にとりかかる
作業は本の形(内容)を細部まで具現化することからはじめました。出版社に持ち込んで担当者が決まっても、竹工芸についての知識は当然とぼしいはずで、こんな本を作りたいと目の前に現物を提示したほうが話が早いだろうと考えたのです。
構成を考えた時点で間にエッセイを挟みこむことを思いつきました。もう見られませんが、ある出版社の投稿サイトにときどき竹にまつわる話を書いていました。そこから何点か選べばいい。
作品は、壁掛け、竹敷、花籠、掛け籠、その他の器、一貫張りの六つのグループに分けピックアップしました。制作した作品はすべて、当時、運営していたインターネットショップにアップするために写真をとってあったので、ここまではパソコンでの作業です。
次に展示会で売れてしまって手元にない作品を補充し、ページ構成を考えました。作品制作に必要と思われる部分は、追加で写真撮影して、制作手順や注意点の説明を入れます。
竹工芸の手引きとなる知識をいくつか書いて、まえがき、あとがき、略歴を加えて、目次を作成。それに中表紙、仮の表紙をつけてできあがりです。あとはこれを何度か推敲するのみ。コツコツと作業して8ヵ月、やっと人にみせられるものができました。
出版は以前、創作集を自費出版した出版社にまずは依頼して、スケジュール的に無理なら、そこから別の出版社を紹介してもらおうと思っていました。ですが連絡をとると承諾してもらえたので原稿を送り一段落。
ところがここで不安が沸騰しました。竹工芸をはじめてまだ15年程度。そんな浅いキャリアで大それたことをしてやしないか。「まえがき」や「あとがき」に、なんであんなえらそうなことを書いてしまったのだろう。考えると冷や汗がでました。遠慮も配慮もない内容になっています。
出版社には自費出版だけれど、アマゾンや大型書店で買えるようにして欲しいと頼んでありました。ところが社長が原稿を気に入ってくれて、自分のところから出したいと連絡が来ました。それはかまわないのですが、そうなると不安が倍に膨らんでいきます。とりあえず、えらそうに意見を述べている部分は書き直し、本の趣旨を再確認して、自分の立ち位置を何度も問い直しました。
構成を考えた時点で間にエッセイを挟みこむことを思いつきました。もう見られませんが、ある出版社の投稿サイトにときどき竹にまつわる話を書いていました。そこから何点か選べばいい。
作品は、壁掛け、竹敷、花籠、掛け籠、その他の器、一貫張りの六つのグループに分けピックアップしました。制作した作品はすべて、当時、運営していたインターネットショップにアップするために写真をとってあったので、ここまではパソコンでの作業です。
次に展示会で売れてしまって手元にない作品を補充し、ページ構成を考えました。作品制作に必要と思われる部分は、追加で写真撮影して、制作手順や注意点の説明を入れます。
竹工芸の手引きとなる知識をいくつか書いて、まえがき、あとがき、略歴を加えて、目次を作成。それに中表紙、仮の表紙をつけてできあがりです。あとはこれを何度か推敲するのみ。コツコツと作業して8ヵ月、やっと人にみせられるものができました。
出版は以前、創作集を自費出版した出版社にまずは依頼して、スケジュール的に無理なら、そこから別の出版社を紹介してもらおうと思っていました。ですが連絡をとると承諾してもらえたので原稿を送り一段落。
ところがここで不安が沸騰しました。竹工芸をはじめてまだ15年程度。そんな浅いキャリアで大それたことをしてやしないか。「まえがき」や「あとがき」に、なんであんなえらそうなことを書いてしまったのだろう。考えると冷や汗がでました。遠慮も配慮もない内容になっています。
出版社には自費出版だけれど、アマゾンや大型書店で買えるようにして欲しいと頼んでありました。ところが社長が原稿を気に入ってくれて、自分のところから出したいと連絡が来ました。それはかまわないのですが、そうなると不安が倍に膨らんでいきます。とりあえず、えらそうに意見を述べている部分は書き直し、本の趣旨を再確認して、自分の立ち位置を何度も問い直しました。
◇出版作業開始
実際の出版作業は出版社の都合で12月に入ってから。編集者とデザイナー、カメラマンが決まり初めての顔合わせ。竹工芸についていろいろ質問を受けそれに答えることからはじまりました。
原稿はすべてアドビのイラストレータとフォトショップでつくり、PDF形式にしてあったのですが、データはワードで欲しいと言われて変換したり、A4の大きさだったのを、書店で平積みするにはB5のほうがいいということで直したりと写真撮影に入るまで作業が続きました。
自費出版ではなく、出版社からということで、いろいろと注文があるだろうと覚悟はしていました。本の意図を変えるつもりはありませんでしたが、たとえば、作品の説明はある程度同じフォーマットにしてほしい、竹工芸についての説明がもう少しあるといい、といった要望は納得できるものなので、追加したり書き直す作業もありました。
自費出版にするつもりだったので企画書は書いていなかったのですが、これだけは念押ししておかなければまずいと思うことがあり、それも書き送りました。ネームバリューがあるわけでもなく、現在、竹工芸に携わっている人数は多くないので、出版しても儲かりませんよ、ということです。正直、チャレンジャーだなと思いました。
写真撮影は翌年の2023年2月と3月で、合計3回。2回は出版社で、残りの1回は近くの古民家を借りての撮影でした。無事すんであとはデザイナーと編集者にバトンタッチ。出来上がった原稿は初校、再校を経て印刷所に。デザイナーと社長が印刷時に行って色校正も確認してくれたことで、2023年の8月にきれいな本ができあがりました。
原稿はすべてアドビのイラストレータとフォトショップでつくり、PDF形式にしてあったのですが、データはワードで欲しいと言われて変換したり、A4の大きさだったのを、書店で平積みするにはB5のほうがいいということで直したりと写真撮影に入るまで作業が続きました。
自費出版ではなく、出版社からということで、いろいろと注文があるだろうと覚悟はしていました。本の意図を変えるつもりはありませんでしたが、たとえば、作品の説明はある程度同じフォーマットにしてほしい、竹工芸についての説明がもう少しあるといい、といった要望は納得できるものなので、追加したり書き直す作業もありました。
自費出版にするつもりだったので企画書は書いていなかったのですが、これだけは念押ししておかなければまずいと思うことがあり、それも書き送りました。ネームバリューがあるわけでもなく、現在、竹工芸に携わっている人数は多くないので、出版しても儲かりませんよ、ということです。正直、チャレンジャーだなと思いました。
写真撮影は翌年の2023年2月と3月で、合計3回。2回は出版社で、残りの1回は近くの古民家を借りての撮影でした。無事すんであとはデザイナーと編集者にバトンタッチ。出来上がった原稿は初校、再校を経て印刷所に。デザイナーと社長が印刷時に行って色校正も確認してくれたことで、2023年の8月にきれいな本ができあがりました。
◇出版事情
制作費は予想していた額の半分ですみました。写真が半分以上で、あとは白黒ページの場合の出版費用を、知人から事前に聞いていたのでこれには驚きました。全カラーなのでそれ以上かかると思っていたのです。
印刷部数は600部。私が150部とり、あとは出版社の営業ルートにのるようです。アマゾンにアップされていることを確認。地域のミニコミ誌や毎日新聞に2回広告を出したと連絡をもらいました。責任を感じて、友人、知人、竹工芸教室の仲間以外にも宣伝することに。ネット上に写真家の藤原新也が主宰する会員制サイトがあって、当初から会員になっていました。そこの投稿欄に本の写真3枚と解説、出版名や購入情報を掲載してもらいました。
いい本になったと思います。最初のマニアックな試みはそのままに、編集者やデザイナー、写真家のセンスと英知が加わって、当初より数段良いものになり感謝です。ここまでくると客観的な気持ちになっていて、考えるのは次のこと。
竹工芸を知らない人にも楽しめる本にしたい、と出版社から提案を受けたとき、今回はそれでいいと納得しました。でも今回は・・・ということは、次回は・・・ということです。今回の作品は展示会で販売するつもりで作ったものが大半だったので、次回は自由に発想した作品を集めたい。本の構想はまだ頭の中。形になるのは2年後ぐらいでしょうか。
印刷部数は600部。私が150部とり、あとは出版社の営業ルートにのるようです。アマゾンにアップされていることを確認。地域のミニコミ誌や毎日新聞に2回広告を出したと連絡をもらいました。責任を感じて、友人、知人、竹工芸教室の仲間以外にも宣伝することに。ネット上に写真家の藤原新也が主宰する会員制サイトがあって、当初から会員になっていました。そこの投稿欄に本の写真3枚と解説、出版名や購入情報を掲載してもらいました。
いい本になったと思います。最初のマニアックな試みはそのままに、編集者やデザイナー、写真家のセンスと英知が加わって、当初より数段良いものになり感謝です。ここまでくると客観的な気持ちになっていて、考えるのは次のこと。
竹工芸を知らない人にも楽しめる本にしたい、と出版社から提案を受けたとき、今回はそれでいいと納得しました。でも今回は・・・ということは、次回は・・・ということです。今回の作品は展示会で販売するつもりで作ったものが大半だったので、次回は自由に発想した作品を集めたい。本の構想はまだ頭の中。形になるのは2年後ぐらいでしょうか。
◇ホームページ開設まで
厳密に考えると、ホームページの開設は2度目になります。1度目は東急ハンズギャラリーマーケットにネットショップを開設したときで、といってもこのときはテンプレートがすでにあって、それに添って作成しただけでした。
トップページの看板のようなものも、紹介されたソフトを使ってなんとか作りました。アドビのイラストレータとフォトショップを簡略化したようなソフトで、文字や写真を組み合わせ、背景の色指定をしただけですが、一応、それらしくなりました。
実はその前に図書館で本を借りて、プログラムの初歩を少し勉強しました。理屈がわかれば自分でもページを作れるのではないかと思ったのです。でも、無理、とすぐわかって、テンプレートに従うことにしました。それでも販売にいたる手順を整えるまで手間のかかるものでした。
東急ハンズがある企業と合併したことで、このホームページは現在ありません。工芸品というジャンルがあったのでこのサイトに出店することを決めたのですが、展示会や展覧会もあって忙しく、作品をアップするだけで手一杯でした。十分に活動することなく終了してしまい悔いが残っています。
ただその経験が今回、役立ちました。ホームページの作成事体は専門家に頼むとして、全体の構成など考えるヒントになりました。
自宅を事務所にして夫と仕事をしていたことも役立ちました。ホームページがあって、毎日、朝晩メールチェックをするのが習慣になっていました。仕事のやりとりもしていたので運営事体に不安はありません。結局、無駄な体験など何一つないと痛感します。
トップページの看板のようなものも、紹介されたソフトを使ってなんとか作りました。アドビのイラストレータとフォトショップを簡略化したようなソフトで、文字や写真を組み合わせ、背景の色指定をしただけですが、一応、それらしくなりました。
実はその前に図書館で本を借りて、プログラムの初歩を少し勉強しました。理屈がわかれば自分でもページを作れるのではないかと思ったのです。でも、無理、とすぐわかって、テンプレートに従うことにしました。それでも販売にいたる手順を整えるまで手間のかかるものでした。
東急ハンズがある企業と合併したことで、このホームページは現在ありません。工芸品というジャンルがあったのでこのサイトに出店することを決めたのですが、展示会や展覧会もあって忙しく、作品をアップするだけで手一杯でした。十分に活動することなく終了してしまい悔いが残っています。
ただその経験が今回、役立ちました。ホームページの作成事体は専門家に頼むとして、全体の構成など考えるヒントになりました。
自宅を事務所にして夫と仕事をしていたことも役立ちました。ホームページがあって、毎日、朝晩メールチェックをするのが習慣になっていました。仕事のやりとりもしていたので運営事体に不安はありません。結局、無駄な体験など何一つないと痛感します。
◇ホームページの重要な目的
といっても今回は作品販売をするつもりはなく(要望があれば応じるつもりですが)制作した作品の展示や書いた記事の掲載、制作の参考になるテキストの提供、所有している資料の開示といったことになります。つまりは個人的な竹工芸のホームページなのですが、考えていることがもう一つあって、ゆくゆくは資料の部分を充実させて、竹工芸に関するデータを集積した私設データ文庫をつくりたいのです。
私設文庫というのはあるジャンルの資料を実際に網羅しているもので設置場所も広さも必要ですが、データ文庫であればそうしたスペースはいりません。実際の資料は情報をもとに各々が検索して手に入れるというしくみです。「日本の古本屋」という検索サイトがあって日本中の古本屋がネットワークで結ばれています。アマゾンでも古本の検索ができるし、大学図書館を含めた日本中の図書館のネッワークも構築されています。検索サイトはほかにもあって、何かを調べたことのある人なら体験していることだと思います。
現在でも竹工芸に関してそうしたページはあるのですが、検索していて、もう少し情報が欲しいと思うことがありました。また一個人の収集ではどうしても偏ってしまいます。以前、竹細工職人の知人が展示会をしたとき、置いてあった資料を見て、自分が持っていないものばかりで驚きました。
資料を持っている人は多くいると思うので、協力をあおぎ、データだけ提供してもらって検索可能な状況にする、そういう私設文庫です。
実際の資料を一個人で所蔵して残していくのは無理な話です。「竹のこと通信」第十号で武蔵野美術大学の民族資料室収蔵庫について書きましたが、収集して所蔵しそれを整理、分類していくのは時間と手数のかかる大変な作業だと実感しました。とてもそこまではできない。でも情報だけならなんとかなるのではないか。
それはまたインターネットの世界にとっても、これまでとは違った役立ちとなるのではないか。旬の細切れの情報だけでなく、あるジャンルの蓄積された知識の収蔵庫としての場です。
もちろんこうした動きにはとうに先駆者がいて、そういうサイトをいくつか知っています。知っていたからこそ、思いついたことでもあります。
この先「竹工芸」というジャンルが先細っても、データをおける場所さえつくっておけば、次につなげていけるのではないか。
そんなたくらみのあるホームページですが、まずは開設することを優先しました。サイトではそうした目的について、まだ触れていません。所有する書籍をならべた「資料室」も、書名や出版社名が並んでいるだけです。運営方法や利用しやすい工夫など、これからおいおい考えて表明していくつもりです。
どんなことも、はじめて二、三歩歩いてみないとわからないもの。似たようなサイトがあれば協力していきたいです。
計画時から時間も経過しているので、読み物や制作作品、資料などに追加情報があります。順々にアップしていきますので、よろしくお願いします。
私設文庫というのはあるジャンルの資料を実際に網羅しているもので設置場所も広さも必要ですが、データ文庫であればそうしたスペースはいりません。実際の資料は情報をもとに各々が検索して手に入れるというしくみです。「日本の古本屋」という検索サイトがあって日本中の古本屋がネットワークで結ばれています。アマゾンでも古本の検索ができるし、大学図書館を含めた日本中の図書館のネッワークも構築されています。検索サイトはほかにもあって、何かを調べたことのある人なら体験していることだと思います。
現在でも竹工芸に関してそうしたページはあるのですが、検索していて、もう少し情報が欲しいと思うことがありました。また一個人の収集ではどうしても偏ってしまいます。以前、竹細工職人の知人が展示会をしたとき、置いてあった資料を見て、自分が持っていないものばかりで驚きました。
資料を持っている人は多くいると思うので、協力をあおぎ、データだけ提供してもらって検索可能な状況にする、そういう私設文庫です。
実際の資料を一個人で所蔵して残していくのは無理な話です。「竹のこと通信」第十号で武蔵野美術大学の民族資料室収蔵庫について書きましたが、収集して所蔵しそれを整理、分類していくのは時間と手数のかかる大変な作業だと実感しました。とてもそこまではできない。でも情報だけならなんとかなるのではないか。
それはまたインターネットの世界にとっても、これまでとは違った役立ちとなるのではないか。旬の細切れの情報だけでなく、あるジャンルの蓄積された知識の収蔵庫としての場です。
もちろんこうした動きにはとうに先駆者がいて、そういうサイトをいくつか知っています。知っていたからこそ、思いついたことでもあります。
この先「竹工芸」というジャンルが先細っても、データをおける場所さえつくっておけば、次につなげていけるのではないか。
そんなたくらみのあるホームページですが、まずは開設することを優先しました。サイトではそうした目的について、まだ触れていません。所有する書籍をならべた「資料室」も、書名や出版社名が並んでいるだけです。運営方法や利用しやすい工夫など、これからおいおい考えて表明していくつもりです。
どんなことも、はじめて二、三歩歩いてみないとわからないもの。似たようなサイトがあれば協力していきたいです。
計画時から時間も経過しているので、読み物や制作作品、資料などに追加情報があります。順々にアップしていきますので、よろしくお願いします。